設立40周年にあたって

福島県民俗学会 会長 佐々木長生

※『福島の民俗』第40号(2012年)より一部改編し転載


 福島県民俗学会は昭和46年2月7日に郡山市で設立総会を開催しており、今年は40周年の記念の年となる。設立総会では、日本民俗学を体系づけた柳田国男の高弟にあたる、岩崎敏夫氏(初代会長)、山口弥一郎氏(顧問)、和田文夫氏などが、福島県内の若き民俗学者を指導する体制で発足した。

 

 昭和47年2月の学会機関誌『福島の民俗』創刊以来、毎年『福島の民俗』は発行されて、会員の研究の軌跡を見ることができる。発足当初は高度経済成長期の延長線上にあり、郡山市やいわき市などは新産業都市に指定され、工業団地の整備や小名浜港の整備、高速道路や東北新幹線の建設など、福島県は著しい変容を遂げつつある時代であった。一方で、福島県内の民俗は音を立てて消滅しようとしていた時代でもあった。こうした状況を背景にして、福島県民俗学会はオシンメイサマの共同調査をはじめ民俗分布地図の調査等に尽力してきた。

 

 当学会は、浜通りを中心とする「磐城民俗研究会」、中通りを中心とする「県北民俗研究会」、会津を中心とする「会津民俗研究会」などの各地の研究団体を通して、学会としての研究活動を進めてきた。設立当初の諸先学による後輩会員への指導が基盤となり、その伝統が継承されて今日の活発な活動へつながっている。

 

 2011年3月11日の東日本大震災による大津波、そして原発事故という大災害が福島の民俗に襲いかかり、大きな破壊力を人々に見せつけている。設立40周年の記念すべき年に、福島県の民俗が危機にさらされている状況にあるといえる。諸先輩会員たちが継承してきた当会の使命と課題を再認識することによって、民俗にとっての危機的状況を打破し、新たなる方向に向かわなければならないと思う。そして50周年に向けて、会員一同さらなる福島の民俗研究に努めていきたい。

『福島の民俗』創刊号


福島県民俗学会 役員(平成28年度・29年度)

【会長】 佐々木長生

 

【副会長】 岩崎真幸 野澤謙治 小澤弘道

 

【顧問】 鹿野正男 田母野公彦  

 

【会計監査】 大山孝正 相原達郎

 

【幹事】 鑓水実 相原達郎 村川友彦 大山孝正 石井克玖 丹野香須美 二本松文雄 内山大介 大里正樹

 

【事務局】 内山大介 大里正樹